イヤならやめろ! (新潮OH!文庫)

人によっては、タイトルが退職指南の本に見えるかも知れない。しかしそうではなく（そうであるかもしれないが）基本は楽しく、いや「おもしろおかしく」仕事をするための本だと思う。この本は、社員とお客様の立場で書かれていると思います。とにかく、それらへの愛情にあふれていて、気むずかしさや堅苦しさがまったくない。社長がこういう認識でいてくれてるのなら、厳しいとは思うけどありがたいでしょう。だって自分たちを気遣ったうえでの、厳しさなのですから。あと「イヤならやめろ！」がもつフレーズについて、個人的にはアップルのスティーブ・ジョブズが某大の卒業スピーチで語ったことに近い部分があると思いました。↓以下のような部分。「今日やろうとしていることは本当にやりたいことなのか？」と自分に問い、何日もノーが続いたら何かを変えなくてはいけない。他のレビューにもあるように、この視点が10年前に出版されているというのは、すごいことかもしれません。自分はかつて、堀場製作所のライバルメーカーで働いていました。科学機器の展示会でも見かけることがありましたが、イキイキした社員が多かったことを覚えています。顧客先での競合でも、非常にアグレッシブに攻めてきました。今思うと、楽しんで仕事をしてきた感じです。就活において、ブラック企業って言葉が珍しくなくなりましたがそうした企業は、この本にあるようなポリシーのカケラもないはず。とりあえず就活中、あるいは社会人１年生の人、それだけじゃなく、アルバイトから社会に入る人とかでも労働で対価を得る人は、社会勉強として読む本として勧めます。あと、これを職場でブックカバーせずに読むと、先輩や上司をある程度は牽制できるかもしれませんねｗしかしその先輩や上司も一読していなければ、ぜひ読んで欲しい本です。