美人課長ふたり―28歳…エリート転落の軌跡 (フランス書院文庫)

沢村香澄美は清純で真面目で気品のある憧れのマドンナタイプの正統派美人。広告代理店の落ち着いた雰囲気で優美な営業一課の美人課長。西脇杏奈はスラリとした長身でショートカットの細面に切れ長の目がシャープな印象の気が強い高飛車女王様。休日のゴルフや夜の酒宴、時には取引先を風俗店にまで連れて行くなど男顔負けの接待攻勢でジジイキラーの異名を取るが、自らは色仕掛けを使わず仕事はしっかり頂くヤリ手。学生時代から香澄美をライバル視する洗練された美貌とセンスの営業二課の美人課長。営業三課の美じ…ちがった、三課課長は三十八歳の無能で無責任な卑劣漢・木崎。営業課は二つに再編されることになり三人は生き残りゲームを宣告される。年下の女課長たちに実績で歯が立たず焦った木崎は女課長の一人と手を結び、もう一人を蹴落とすことを画策する。女王然として気が強い杏奈より温和で真面目な香澄美の方が御し易いと判断し、先に香澄美に話を持ちかけるものの、あっさりと断られる。そこで杏奈と手を組み香澄美を追い落とすべく、香澄美の部下である新入社員・青木朋美を凌辱する。それは部下思いの香澄美にとって致命的な弱点となって、簡単に罠に嵌められることに。朋美のミス（本当は無責任な木崎の凡ミス）で発生した問題の謝罪のために、香澄美は木崎と共に取引先へ赴くことになり、その秘策として杏奈から渡された破廉恥ワンピースに着替えることになる。そんな姿で後輩たちの前に出る羞恥、路上を滑稽なモンローウォーク、地下鉄では集団痴漢に遭い、息も絶え絶えで辿り着いた取引先受付ではまさかの露出狂扱い。清純で真面目な仕事人間の香澄美は、十代の少女程度の下ネタ免疫しかないために、自らがランパブ嬢呼ばわりまでされる屈辱に身も心もヘロヘロになる。香澄美が嫌だと言うなら朋美に同じことをやらせると脅され抵抗出来ないのだ。羞恥と侮蔑の末にやっと通された応接室での謝罪交渉。相手部長と木崎の間に挟まれ、謝罪に次ぐ謝罪、香澄美の誠実な肉体謝罪は最後には相手部長から股間に指を差し入れられることを黙って受け入れさせられることにまでになってしまう。取引先であられもない姿を晒してしまったショックで香澄美は次の日会社を休んでしまうが、心配して訪ねてきた朋美から事の真相を聞き、朋美を守るためにもこれ以上休んではいられないと、たった一日休んだだけで気丈にもすぐ復帰する。しかし木崎から自主降格を強要される。香澄美を同期である杏奈の部下として配属するとは考えにくいことで、木崎はほくそ笑む。一課の実績はそっくり自分のものになる。香澄美と朋美が部下になれば別の楽しみも増える。いろいろと妄想する木崎だったが、杏奈からの突然の申し出によって急転直下、急遽一課と二課が統合されることとなり、その日のうちにオフィスの模様替えがなされる。「あのエッチなワンピースのおかげでクレーム処理は大成功だったようね。香澄美ったら興奮して木崎さんに口でやってあげたらしいじゃない」朋美の問題がある上に、今度は香澄美自身も弱みを握られ言いなりにならざるを得ない。実質的に上司となった杏奈の命令で地味なスーツは超ミニスカ仕様に即席改造され、生脚ノーパンでの勤務を強いられる。いつも清楚な服装の香澄美の突然のミニスカ姿に同僚たちの好奇の視線が集まる。そのままの格好で統合祝と称する飲み会に強制参加。杏奈の部下ばかりが集まった居酒屋で後輩社員たちから、興味津々の質問が浴びせられる。その後、杏奈と香澄美は夜のオフィスへ戻っていく。香澄美を配下に収め、プライベートでも手中にし、一ヶ月をサディスティックな歓びに浸っていた杏奈とは対照的に木崎には欲求不満と憤りの日々だった。「仕事の邪魔をしないで！木崎さん」六年間も欲情を内に秘めてきた獲物をやっと手に入れたと思ったら杏奈に横取りされ、しかも香澄美に指一本触れられないどころか口を利く事すらも近付くことすら杏奈に邪魔され叶わないのだ。杏奈の奴、裏切りやがった！そこで巨大見本市である自動車ショウを舞台に、杏奈の手から香澄美を取り戻すと同時に、杏奈自身も自分のものにしてしまおうと計画を練る木崎だった。木崎の不手際で用意できなかったコンパニオンの代わりを、クライアントから頼み込まれたこともあって杏奈たち三人が務めることに。大胆なデザインの白レオタード姿で午前のスケジュールはなんとかこなしたものの、流石に杏奈はオカンムリとなり、午後は香澄美と朋美に任せて自分は高みの見物を決め込もうとするものの、肝心のクライアントは担当者でもあった杏奈を特に気に入り、午後は私服スーツ姿に戻った二人を引き立て役に杏奈一人だけが更に過激なコスチュームで登場することを余儀なくされる。その二日後、営業課長三人による緊急会議で二人は完全に屈伏させられる。だが二人は立ち直る。しかし…。お色気営業なんて考えたこともない清純で真面目な仕事人間の香澄美が乱れた三日間、一日休んでるから実質二日を描いた前半は考える暇や対処する時間を与えない疾風迅速な展開で自然に思えた。朋美を陥れて弱点を作り、木崎を小気味良くやり込めた直後に、プレイ内容としてはソフトなものの、下ネタ免疫のない清純で真面目な香澄美にとっては超濃密な怒涛の一日。あまりのショックに一日休んで気分を入れ替えた翌日は、杏奈による追い打ち。朋美凌辱→オフ日→オフ日→香澄美の一日→ショック休み→杏奈女王様の日、というほぼ一週間を描いた前半、特に香澄美を主役に描いた実質二日間は大好き。ていうか香澄美さんが好きです。いきなり１ヶ月経ってエスカレートする後半は日程も飛び飛びで、香澄美は持ち前の優雅さこそ失われてはいないものの、杏奈による１ヶ月にも亘る服従調教のためか無力感と諦めに囚われて簡単に言いなりになってしまい、その杏奈も気が強過ぎて少し乱暴な感じがするし、内面の魅力はあまり描かれていなくて、それぞれのシーンも分量的に少なめであっさりした感じがする。終盤は描写も駆け足で物足りなさもあるし、いくらなんでも無茶苦茶だろな部分もあるけど、嫌いではない。この作品は大好き。こんなもんただのＡＶじゃねえかと言われれば全く以てその通りなんだけど。それにしても沢村香澄美さんは美しい。温和な性格の清純派で部下思いの優しさと気品の高さと意志の強さを併せ持つバランスの良い色白ムチムチボディ。大学時代にはミスコン優勝もしていて雑誌企画などにも杏奈と並んで何度も登場したほどの美女。同級生たちに推されて渋々祭り上げられた香澄美と自薦応募で自己顕示欲の強い杏奈という違いはあるものの各校のミスコン優勝者が集められた企画などでは人気を二分した二人。お嫁さんにしたいミスコン美女アンケートとかなら沢村課長が断然トップだったろうな。そういうのが好きなマニアとかなら、あー沢村香澄美と西脇杏奈ねー知ってる知ってる良く覚えてる可愛かったよなーあの二人、って感じのちょっとした有名人だったんだろうな。大勢の人の前に立つ派手で華やかなスター的存在にもなれてたろうに、地味なスーツ着て誠実に裏方仕事してるのが素敵過ぎる。十万百万単位の人気者になってても全然おかしくなかった美女が社員とか取引先などといった限られた中でのみ密かに憧れられ噂される程度の知る人ぞ知る存在になってるのが素敵。「我が社の男子社員を虜にした憧れの女課長も間抜けに見えてしまうな」なんて絶対思わないよ。沢村課長の地味で上品なスーツ姿のみならず、たわわで程良い張りの見た目より遥かにやわらかいたっぷりとした乳房、杏奈ですら見惚れる白い肌に溶け込む薄いピンクの乳首、適度な肉付きのムッチリした太腿、意外と黒々してフサフサしたヘア、乳首同様に綺麗な薄桃色の清楚な秘唇、指で開いた割れ目の奥には鮮やかなサーモンピンクの内側の柔肉、トロリとした愛液に秘裂がヌチャヌチャ音を立てるのを朦朧となりながら目を閉じて刺激に耐える切なげで美しい表情、そんな姿を見せてくれるのが憧れの沢村課長だと思うと、どんな名作ＡＶでも敵わない本当に美しいものに思える。そんな28歳の成熟した女となったかつてのミスコン女王のハプニング的とはいえセミヌード以上といえるような白レオタード姿でのコンパニオンデビューもまた素敵。あの清楚で可愛かったミスコン女王が、こんな豊満な肉体に薄くて小さな白レオタードだけを身に着けて華やかで大勢の人の前に出る舞台に再登場ってのも素敵だった。それはほんの数時間の幻の出来事だったけど。午前はあんなスゴイ格好してたのに午後は地味なスーツ姿ってのも逆に素敵な感じだった。やっぱり沢村課長は美しいです。理想の女性に近い。そんな沢村課長のいろいろな美しい姿を見れる本当に素晴らしい内容でした。ていうか、沢村課長が好き過ぎて好き過ぎて好き過ぎるー！あまりに好き過ぎて写経した。（バカだ…）勿論、一字一句そっくりそのままではなく、この行はいらないな、ここはちょっと組み替えるか、このセリフは少し変えよう、って感じでより自分好みに。そうしているうちに気が付いた。樹月文体は俳句や短歌のように必要最小限に近い表現であることに。このセリフとセリフの間には、もっとこんなやり取りもある筈、こんなシーンもあったに違いない、という妄想する余地が残されている余裕のある描写なのだということに。だから描写があっさりしてて分量的に物足りなく感じたりもする。でもそこが良い。行間を妄想で埋める構成になっているのだと思う。行間は自分で書けばいい。清楚な沢村課長の清純さを裏付ける裏設定とか、杏奈主役のスピンオフとか、杏奈と香澄美の凌辱調教の一ヶ月とか、ここに描かれていないことは自分で書いて補完すればいいのです。実際、自分で書いて自分で読んでるし。（バカ過ぎる…）ちがっ、そんだけ沢村課長が、香澄美さんが素敵だってことです。